社内SEとは自社のITを専門に担当するエンジニアです。業務範囲は幅広く、IT戦略立案、システムの選定と導入、基幹システムの開発、ベンダーとの折衝、インフラの保守など、社内SEに転職してわかりました。
社内SEに必要なスキルは何か?
社内SEの仕事内容は?
社内SEの仕事内容と求められるスキルをはじめ、SI企業のSEと社内SEの違いについても両方を体験した僕が、あなたの知らない社内SEの世界を徹底的に解説!これで今より楽しいSEライフを一緒に送りましょ~^^
- 社内SEの仕事内容
- SI企業のSEと社内SEの違いを解説
- 社内SEに求められる知識・スキル
- 社内SEのスキルで1番大切なこと
転職前とイメージがだいぶ違ったので、社内SEを経験しなきゃわからないことをまとめました^^
社内SEの仕事内容
新卒で社内SEとして働くには厳しい世界ではありますが、SI会社でSEを経験していた方なら大丈夫です。
IT戦略の立案
経営層から「働き方改革を推進する」と言われたら、ITで経営戦略を後押ししましょう。
リモートワークに必要な施策や機器、会社のルールなども決めていきます。
この時に総務部門と連携することもありますが、基本的には情報システム部門のマネージャー以上が担当することが多いです。
僕のような中小企業の社内SEなら、僕が1番前にでます。経営層への説明をすることもありますが、ここらへんは部長にできるかぎりわかりやすく説明すれば部長でもできます。
社内システムの選定・導入
社内SEのスキルは技術力ではありません。このことに気付いた時は驚きました。
PGのスキルがいくらあろうが、問題はそこではありません。むしろPGのスキルはなくてもいいですね。(自社製品の開発をする社内SEなら必要)
実際にあらゆる部門からヒアリングをしてニーズを把握し、システムに必要な要件をまとめます。ベンダーにアウトソーシングをして要件定義から開発にテストや運用まですべて社内SEは携わります。
社内システムの保守・運用
社内SEを雇う会社の規模であれば、大抵は基幹システムがあります。そのサーバーからクライアントのPCを監視し、必要に応じて機器の入れ替えや増強を行います。
そして基幹システムの開発、とまでは言いませんが保守・運用していくにはソースを読めることは必須でしょう。
これが出来なければ、外注のシステム会社とやりとりが出来ませんし、適正な費用がわからなくなります。(ただし滅多にソースを読まないので、後から習得してもいいです)
自社の人間だけで、不具合調査や軽微な改修も行えませんので、いちいち外注のシステム会社に依頼することになります。
そのため、余計な費用がかかってしまい社内SEの存在意義はなくなるかと。。
しょっちゅう依頼していたら、総務部門の人間でも同じ対応ができてしまいますしね。
(たまにプログラミングスキルなしの社内SEの方がいますが、ベンチャーとかなら既存システムの保守が少ないのかな?いちいちお金と時間がかかるのが嫌なので自分で不具合対応しちゃうんですが。←ちゃんと部長に「費用いくらくらいのを僕が対応したのでお金かからなかった」とアピールしましょう。超大事です)
無線LAN・有線LAN
たまに繋がらなくなることもあるでしょうし、LANケーブルの交換が必要なときもあるでしょう。
PC側で、IPアドレスの設定方法や無線LANの有効化や無効化の方法を、知っておかないといざというときに、スマートではありません。
ここらへんは割とあります。
僕はあまり詳しくはありませんでしたが、直ぐに慣れました。
プリンター
プリンターを使うには、プリンタードライバーをインストールする必要があります。
正直、僕はあまり経験がありませんでしたので、やり方をすっかり忘れてました。
(自宅で一度、インストールしたら数年は変えないし。。。)
しかもけっこうトラブルがあります。
ここらへんは、メーカーか販売会社と保守契約をしてることが多いので、呼ぶだけで済みますが、スキャン時のサイズ間などといった、トラブルは保守会社は関係ないので自力で解決が必要。
PDFのビューワー側の問題だったりもします。
(Adobe Readerなど)
ネットワーク
ネットワークの知識は全くなかったですね。
現在もあまりありませんが、特別困るようなこともありません。
全国に拠点があって、色んな仕組みで稼働しているような状況でもないので、保守会社に任せっぱなしです。
社内SEのスキルとして考えると、あっても良いとは思いますが、普段の業務に関連があるような特殊な商売をしている会社じゃない限りは、不要なのではないでしょうか。
はっきり言って全く関わらないですね。
電話回線
こちらも、特別な知識は特になかったですが困っていません。
回線の種類もいろいろありますが、保守会社に任せっぱなしですね。
実際に大規模な変更をするときに、業者と決めていくでしょうが、普段は全く関わらないです。
基幹システムで、電話回線を利用してEDI連携でデータを受信するぐらい。
(ISDNもうすぐ終わるそうなので、WebEDI連携が多くなってきました。WebEDI連携というのは、他社のWebサイトにログインして、CSVファイルを手動でダウンロードすることです)
問い合わせ対応
パソコンの知識があると便利です。ハードに詳しくなくても何とかなりますが、インターネットを使う上で、最低限のことは知っておいたほうがいいです。
ソフトを検索しダウンロードしてインストールする等。
Webブラウザの種類も知っておいたほうが便利です!
僕はChoromeくらいしか知らなかったのですが、Firefoxってアドオンでイロイロできて便利!
あとは外付けHDDや無線マウス、スマホからのテザリングなど、色々聞かれます。
ちなみに、僕はパソコンの知識はない方でしたが、1年間でけっこう詳しくなりました^^
元々興味がないわけではなかったので、詳しく知っていくと、「もしかしてパソコンを自作してメルカリで売れば儲かるんじゃないか」と思ってきました笑
多分、地道に売ってる人いると思います笑
セキュリティ対策
自社内のPCやサーバ機器などのソフトウェアのアップデートやウィルス対策ソフト、不正アクセス、ランサムウェア対策など、ユーザーへのセキュリティ教育もありますね。
最近はセキュリティに力を入れる会社は増えてきています。
先日、僕も社内SEが集まるセキュリティソフトのユーザー交流会に行ってきました。
みなさんかなりセキュリティ対策に力を入れていたので、僕は驚きましたし、社内SE同士でイロイロと話せるて楽しかったです^^
SI企業のSEと社内SEの違いを解説
SI企業はシステム開発を依頼されて開発を行います。
そのためプロジェクト毎にチームを構成して要件定義から設計、開発、導入、運用といった業務を請け負います。
1か月で終わるプロジェクトもあれば数年はかかる大型プロジェクトなど様々です。
いっぽう社内SEは、自社のIT専門部門なのでクライアントが変わることはありません。
プロジェクトに基幹が設けられるのは当然ですが、ずっとユーザーの近くでシステムを見守りながら保守・運用していきます。
こういった、「ユーザーに近い」ところが社内SEの魅力の一つでもあるんですよね。
あわせて読んでほしい記事
SI企業のSEは客先に常駐することが多いです。IT業界の構造を理解して頑張るところを間違ってしまうと、過去の僕のようになってしまうのでSESについて理解しておきましょう(~_~;)
社内SEに求められる知識・スキル
社内SE(情報システム部門)のスキルは、会社の情報システム部門か、自社製品の開発をする会社の2つと思われがちですが違います。
会社の情報システム部門は、中小企業と大企業で求められるスキルが異なるので、大きく分けて3パターンですね。
- 中小企業の情報システム部門
- 大企業の情報システム部門
- 自社製品の開発をする会社
主に僕のブログでは、中小企業を想定した内容になっていて、理由は以下です。
- 世の中には中小企業の方が多い
- 僕自身が中小企業の社内SE
経済産業省の発表によると、中小企業は全体の99.7%になります。
そのためSEから社内SEに転職する人は、たいてい中小企業に転職しますよね。
なにより個人的には中小企業の方が自由がきくんです!
それでは社内SEのスキル3パターンをそれぞれ見ていきましょう。
社内SEのスキルを3つの軸で見る
スキルをわかりやすく数値化して比較したいと思いますので、以下の3つを軸に見ていきたいと思います。
- プログラミング力
- インフラの知識量
- コミュニケーション力
これらを可視化すると以下になりました。
中小企業の社内SEスキル
中小企業では社内SEのスキルの中で、1番コミュニケーション力を求められます。
そして一般的なSEのスキルとは異なり、浅くても良いので幅広い知識がある便利ですよ。
なぜなら社内のインフラやヘルプデスク、さらには他社のシステム開発会社との折衝などが、中小企業の社内SEのスキルとして身に着けておくと、かなり効率よく仕事ができるので。
大企業の社内SEスキル
大企業では社内SEのスキルの中で1番プログラミングをしません。
まれに社内SEだけで、基幹システムを作る会社がありますが珍しいことです。
今まで大企業の社内SEの人達と関わることが多く、色々と聞いてました。
そうすると、やはり下請けのシステム開発会社のマネジメントや、資料作りが多い。。。
各部門からの相談も多くて、残業も多かったのが意外でしたが、これには理由あります。
そこは全国で数万人の社員がいる会社なのに、社内SEが5人しかいなかったんです(^^;
なぜかというと、実働部分は下請けのシステム開発会社に任せていたから。
(当時の僕のようなSE)
この仕組みを採用している大企業の社内SEはなかなか大変でしょう。
あわせて読んでほしい記事
自社製品の開発をする会社の社内SEスキル
自社製品の開発をする会社では、社内SEのスキルの中で1番プログラミングをします。
実は僕は普段けっこう関わりますね。
やはりツールとかの製品を導入する時や、製品の不具合問い合わせに、製品自体の調査段階のときなども意外に関わるんですよ。
製品のデモの時に営業さんが、
「技術の人間も連れてきました〜何でも聞いてくださいー」
って言ってます笑 もっと営業がんばって笑
社内SEに役立つ資格
実際に社内SEとして働いたときに役に立つ資格があります。
資格は意味がないという風潮もSI企業ではあるようですが、社内SEではそんなことはないですよ。
ITストラテジスト試験
IPAが運営している国家資格です!
経営に関する知識からIT戦略まで幅広く学ぶことができるので、経営層へのアピール材料としては十分なので、社内SEに転職してからでも良いので資格取得を目指してみましょう!
ITコーディネータ試験
経産省がオススメしている資格でして、なんと、試験合格者のみが受講可能なIT戦略立案に関する講習を提供してくれています。
全国6300名のITコーディネーターと相互に連携しながら活躍していて、やはり経営視点が学べるのが人気の秘訣です。
VBAエキスパート
民間の株式会社オデッセイコミュニケーションズが認定している資格で、Microsoft OfficeアプリケーションのExcelやAccessに搭載されているマクロ・VBAのスキルを学べます。
VBAをマスターしておくと、事務職とお局様から若い事務の子まで、ありとあらゆる人に喜ばれる資格なのでねらい目ですよ^^
社内SEのスキルで1番大切なこと
僕が社内SEに転職して一番大切だと実体験があります。
これを1年目で実感できたのは、たまたまですが今でも大切な経験となっているのでお伝えしますね。
社内SEに転職した1年目はヘルプデスクを通して全部署の人達と会話をしまくり、
飲みに行きまくりました〜
(結構大変)そしたら、全部署から『うちの部署きてよ』と言われまくり(未だに言われる部署2つ)、
かなり快適な毎日を送れるようになりました😌狙ってなかったけどコミュ力大事ですね😳
— 『IN4U』SEから社内SEに転職してイロイロ楽しくなってきた (@IN4U) July 30, 2019
このツイートこそが、 個人的に社内SEになってから一番大切だなぁ~と感じたこと。
コミュニケーションといっても楽しく話せる能力ではありません!
会社を見渡せばITに疎い方だらけですので、そんな人たちに。。。
「わかりやすく伝える」能力
「伝えようとする」努力
「伝わらなくても」、「伝えようとしている」、「誠意ある紳士的な態度」です!
この3つがあるかないかで全てが変わります。
でも誤解しないでください。 出来なくてもいいんです!
伝えようとしてるか、してないか、その姿勢。
(これ3つすべてを完璧にこなせたら、男性にも女性にもモテモテでしょう。笑)
そもそも面接の時点で、この3つが垣間見えなければ受からないと思いますし、入社してからも 「この人、何言ってるかわからないなぁ」 となるんじゃないでしょうか。
社内SEのスキル:まとめ
けっこう僕は最初の1年間で色々と身に付きました。この記事で少しでも社内SEのスキルが伝わればと思います。
中小企業には、あまり社内SEは多くありませんので、スキルがたくさんあるのは嬉しいことです。
ですが、それよりも重要なのは何か?、そこを理解していれば、倍率が高いと言われている社内SEへ転職するのは難しいことではないと思います!
相手が求めていることを、理解したうえで話をすると、どの業種でもカッコイイですよね。
それでは次に、 社内SEの1日は楽すぎる?で情シスの1日を知ってもらうか、社内SEの年収を見てもらうとより社内SEを理解できますし、何より僕は転職するか悩んでましたが結果的に手に入れたものは何だったのか!?を知ってもらえると僕は嬉しいです。